フリーランスとして活動する場合、納めるべき税金は以下の4種類があります。それぞれの特徴と注意点をわかりやすく解説します。
所得税は、収入から経費や外注費、控除を差し引いた「最終的な利益」に課される税金です。
住民税は、事業所がある都道府県や市区町村に納める税金で、前年度の所得に基づいて計算されます。
個人事業税は、事業所得が年間290万円を超える場合に課される地方税です。
消費税は、商品やサービスの取引に課される税金です。フリーランスは消費者から受け取った消費税を納付する役割があります。
納税で損しないための節税
フリーランスが税金で損しないための方法を紹介します。具体的には経費を多めに計上したり、青色申告したりなどです。効果的な方法を知り、賢く節税しましょう。
経費をできるだけ多く計上する
経費をできるだけ多く計上すれば節税できます。経費が多いほど課税される所得金額が少なくなり、所得税や住民税の負担が軽減されます。
確定申告は青色選択を選ぶ
青色申告には、高い節税効果がある「青色申告特別控除」があります。
控除額は最大65万円です。
所得控除を利用する
所得金額から所得控除を差し引いて節税できます。所得控除は「社会保険料控除」「医療費控除」など10種類以上あります。
所得控除額は、合計所得金額や各種費用の金額により変わります。条件を満たせそうな所得控除がある方は、対象者や申告方法などを確認しましょう。
共済に加入する
共済に加入すると、掛金を全額控除したり経費にできたりします。独立行政法人中小企業基盤整備機構法により、2004年7月に設立された独立行政法人中小企業基盤整備機構(略称:中小機構)が運営しており、委託先の商工会議所等で加入することができます。
~フリーランスが利用可能な共済~
小規模企業共済は廃業時に退職金が受け取れる制度で、掛金が7万円なら最大84万円が所得控除されます。
掛金は・・・全額所得控除
掛金は、全額が「小規模企業共済等掛金控除」として、課税対象所得から控除できます。(1年以内前納掛金も同様です。)
共済金は・・・退職所得扱い(一括受取り)または公的年金等の雑所得扱い(分割受取り)
経営セーフティ共済は取引先が廃業した際の連鎖倒産に備える制度です。掛金20万円なら最大240万円の節税になります。最初は少額から掛け、徐々に掛金を上げていく方法もあります。
・最高8,000万円の共済金の貸付けが受けられます。
・共済金の貸付けは無担保・無保証人です。
・掛金は税法上、経費または損金に算入できます。
・一時貸付金制度も利用できます。
少額減価償却資産特例を使う
少額減価償却資産の特例は、10万円以上30万円未満の減価償却資産の全額を経費にできる制度です。
通常、設備投資などの資産を買うときは耐用年数で分割して計上します。しかし、特例を使えば合計額を一括で計上可能です。全額を損金にすると資産を買った年度の課税所得金額が減り、税負担が軽減されます。
短期前払費用特例を使う
短期前払費用の特例は、特定の前払費用を経費にできる制度です。家賃やサーバーのレンタル代など、定額を継続して支払うサービスが対象となります。翌年度の費用は当年度の経費にできませんが、特例を活用すれば前払い分も経費にできます。
利益が出た年度に少額減価償却資産・短期前払費用の特例を使えば、大きな節税効果が見込めるでしょう。
保険料を減らすには健康保険組合がおすすめ
保険料を減らしたい方は、健康保険組合に入るのがおすすめです。国民健康保険より割安のケースが多いからです。
組合の種類は「文芸美術国民健康保険組合」「東京美容国民健康保険組合」などさまざまです。
ペナルティを科されないよう気をつける
節税したいなら、ペナルティを科されないよう気をつけてください。以下は主なペナルティです。
(無申告加算税)
無申告加算税は期限内に申告をしなかったときにかかる税金です。支払うべき税額に対し、50万円までは15%、50万円を超える分は20%の税金がかかります。
(延滞税)
延滞税は滞納した期間に対してかかる税金です。滞納した日数分だけ課税される仕組みで、支払いが遅れるほど高額になります。
(重加算税)
申告時に偽装・隠蔽といった悪質な不正を行うと重加算税が課されます。重加算税の課税割合は35%~40%と高く設定されているのが特徴です。